健康診断の先へ。企業の未来を照らす「ミライト」の挑戦

「健康診断の実施をラクに、結果を価値に」を企業ミッションに掲げる株式会社ミライトは、健康診断を通じて、企業の未来を照らす存在になることをめざしています。そんなミライトの代表取締役として活躍する安枝さんに、サービスの強みやこれからの展望について伺いました。
株式会社ミライト 代表取締役 安枝さん
大学卒業後、広告会社で7年間営業に従事。その後、2010年に株式会社エムステージ(エムステージグループ)に入社。医師人材支援事業や産業保健事業において多岐にわたり活躍し、2024年2月より株式会社ミライトへ出向。2025年4月に代表取締役に就任し、事業戦略を担う。
――本日はよろしくお願いいたします。今年の4月から代表取締役に就任されましたが、これまではどのようなキャリアを重ねてこられたのでしょうか
新卒で広告会社に入社し、7年間営業として経験を積んだ後、2010年に株式会社エムステージ(エムステージグループ)に入社しました。名古屋支社で医師人材支援事業に携わった後、2014年に東京本社へ異動し、営業企画・マーケティングなど幅広い分野に携わらせていただきました。その後は、2021年より産業保健事業部の事業推進室で経験を積み、昨年株式会社ミライトへ出向。そして、今年の4月、代表取締役に就任いたしました。
――キャリアのスタートは広告業界なのですね。なぜエムステージに入社されたのですか
前職では大手企業で営業をしていましたが、組織が大きい分、担当できる業務の範囲が限られており、歯車の一部として働いている感覚が強くありました。もっと裁量を持って、事業やチームの中心に立ちながら働きたいという思いが芽生え、ベンチャー企業への転職を考えるようになりました。
当社を選んだ理由の一つは、「医療」という業界に対して、安定性の高さを感じたからです。また、医師の紹介事業という領域では、これまでの営業経験を活かしながらキャリアを主体的に描けると考え、入社を決意しました。
――全く異なる業界に入られましたが、入社後にギャップなどはございましたか
正直、入社当初は「医療業界への足がかり」というイメージで、長く働くかどうかまでは明確に決めていませんでした。ただ、その考えが大きく変わるきっかけになったのが、2013年に大阪で開催された全社会議です。
当時は、医師の紹介事業だけを手掛けていた時期でしたが、会議のなかでグループCEOの杉田さんが「新しい事業にも挑戦していく」と話されたんです。単に事業の話というよりも、「持続可能な医療の未来をどうつくっていくか」という視点、そして、医療業界が抱える課題を真正面から捉えていたことが、印象に残っています。
それまで私は、目の前の業務をこなすことで精一杯でしたが、その全社会議を通じて、「この業界の課題解決にもっと深く関わっていきたい」という思いが強くなりました。会議の後、東京出張のタイミングで杉田さんに東京への異動を希望しました。その後、すぐに希望を叶えていただき、それからは「この会社で骨を埋めるつもりでやっていこう」と気持ちを新たに、本気で向き合うようになりました。

――ミライトが提供するサービスについて、教えていただけますか
当社は、健康診断に関わる人事労務担当者の業務負担を軽減するために、『健康診断トータルサポート』を提供しています。具体的には、医療機関との契約代行や健康診断の予約代行、未受診者の受診促進や労働基準監督署への報告など、健康診断に関わる業務をワンストップで代行・サポートしています。
企業が実施する健康診断には非常に多くの業務が発生します。医療機関とのやり取り、日程の調整、受診の管理、結果の回収・確認など、その業務は多岐にわたります。さらに、企業毎に運用方法が全く異なるため、人事労務担当者にとって大きな負担になっています。私たちミライトは、そういった煩雑な業務を人事労務担当者に代わって担うことで、健康診断実施後の改善に向けた取り組みに、目を向けてもらうことをめざしています。いかに、健康診断を従業員の健康や働きやすさについて考えるきっかけにしてもらえるか。それが、私たちの「健康診断の実施をラクに、結果を価値に」というミッションに込めた思いです。
▼主要サービス
――ミライトの強みを、どのようにお考えでしょうか
ミライトの強みの一つは、企業毎に異なる健康診断業務に対して、柔軟にカスタマイズ対応ができる点です。健康診断の運用方法は、企業や健康保険組合によって千差万別で、一つの定型フォーマットにはなかなか落とし込めません。そういったなかで、私たちは一社一社に合わせた業務設計を行い、最適な形で代行サービスを提供しています。
そしてもう一つ、近年特に力を入れているのが、エムステージグループ全体での健康経営・産業保健のトータルサポート体制の構築です。当社はエムステージグループの一員として、産業医サービスや産業保健支援などの領域と強く連携しています。例えば、健康診断の実施後に、就業判定を行う産業医の対応が必要になるケースがあります。また、診断結果を受けて保健指導を行ったり、企業の「保健室機能」をサポートしたりするようなサービスも求められています。そういった一連の流れを、健康診断にとどまらず、健康経営・産業保健領域までグループとしてトータルで提供できることは、今後ますます重要な強みになると考えています。お客様から見ても、「健康診断も、産業医対応も、その後の健康経営への取り組みも、全部ワンストップで相談できる」というのは非常に安心感につながるポイントだと思いますし、それを実現できるのが私たちの価値だと自負しています。
――健康経営に対する関心の高まりやDX化など、今後の社会や業界の変化に対して、どのように取り組んでいきたいとお考えでしょうか
近年、健康経営への分野で特に注目されているのは「健康診断結果の活用」です。多くの企業では、健康診断の実施そのものが負担になっており、「やらなければならないこと」として業務が回ってしまっているケースが少なくありません。本来であれば、健康診断は「結果をどう活用するか」が重要です。病気になる前の兆候を早期に捉えて対処することこそが本来の目的ですが、そのために十分な時間やリソースを割けていない企業が多いのが現状です。
私たちミライトは、前述の通り、まずは健康診断の実施業務を代行・効率化することで、企業の負担を軽減し、企業が「本来注力すべきこと」に集中できる環境を整えています。これにより、社員一人ひとりの健康リスクを減らすことができ、結果として企業全体の生産性や持続可能性にもつながっていくと考えています。
また、DXの観点では、健康診断結果の「データ化」が喫緊の課題です。医療機関から紙で渡される健診結果が多いなか、それをどうデジタル化していくかが非常に重要になってきています。国が推進するPHR政策に対応するもので、マイナポータルを通じて健診情報を活用するためには、医療データをデジタルデータで提供する必要があります。すでに「健康経営優良法人」の認定基準には、デジタルデータ提供実績が評価項目として組み込まれており、企業や健康保険組合にとっては無視できないポイントとなっています。
ミライトでは、OCR(文字認識技術)などを活用しながら、健診結果のデータ化を推進しています。医療機関と企業、そしてPHRをつなぐ「ハブ」として、健診データの収集から活用までをトータルで支援できる存在をめざします。健康経営を実現するインフラを裏側から支えることこそが、私たちの役割であり、これからの価値創出の核になると考えています。
――最後に、安枝さんが描くミライトの未来像を教えてください
私たちがめざしているのは、「健康診断予約代行サービス」を超えた、健康経営・産業保健領域全体をカバーする企業としての位置づけです。先ほどお話したグループ企業との連携により、企業にとって、健康診断や健康経営・産業保健に関するあらゆる相談を一元的に行うことができ、信頼がおけるパートナーとして認識していただけるようになりたいと考えています。
グループ全体で連携を図り、企業が直面するあらゆる課題に対して、迅速かつ効果的に対応できるよう努めていきます。企業が抱える健康に関する問題に対して、私たちが頼れる存在であり続けることが、最終的には企業の持続可能な成長につながると信じています。
――エムステージグループ全体で連携を図り、企業のミライを照らす存在になっていきたいですね。本日は貴重なお話をありがとうございました!